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Religion

 そのうち公式からアナウンスもあるだろうが、自分用の備忘録としても残しておく。

 運良く手に入った『Improvement of the Polis』、気合で手に入れた『SINGULARITY』両方面白かったので、この『Religion』リメイク元の『Marché de France』もいつか欲しいと思っていた。2年くらい前に入手のチャンスがあったが、その時は1.5万円で突っ込んで競り負けていた。今ここにAsobitionさんがリメイクとして出してくれたことで、2年前の負けから大逆転勝利したと言えるだろう。

 Polisに続いてSINGULARITYを遊んだときは、”相変わらず独特の苦しさだな~”と感じたが、Religionは他の2作品に比べて苦しさはなく、マイルドになっている。毎ターンのレベルアップやAI研究に歯を食いしばって着いていかないと脱落してしまう・・・!という切迫感は無い。Religionでは毎ターンの手札数増加がPolisのレベルやSINGULARITYのAI研究に当たるが、まったく手札を増やさなくても十分勝負になった。他の2作品はいわゆる「しゃがむ」ことが許されない毎ターンの厳しすぎる鍔ぜり合いを強いられたが、Religionでは、先行逃げ切りで後半は見てるだけ、または前半しゃがんで後半追い込む、どこでも満遍なく、の戦略が全部通用すると感じる。色々試してみたくなる。

 

 さて、エラッタやルールの明確化、間違いやすい(だろう)部分を書き起こして残しておこう。

 

エラッタ

「手札上限を1つ増やす」アクションのコストはボードのアイコン表記が間違いでルールブックが正しい

 

【記載なし補足】

得点計算フェイズでキューブや娯楽カウンターがゼロだったら、2位や3位に当たっていても最下位扱いで得点は得られない。

 

【明確化】

ラクルカードの獲得ボーナスで得点を得る効果は、該当のマークのアクションカードを取るだけで良く、(キューブの数が足りない等で)実際にキューブが置かれなくても構わない。

 

【間違えやすい(かも)】

①娯楽アクションカウンターはラウンド終了フェイズでリセットされない。

②「ダイス+下矢印」のアイコンで娯楽アクションをする時は、ボードのマスに自分のキューブを1個置く必要がある。一方、「馬+酒+カード」のアイコンで娯楽アクションをする時は、マスにキューブを置く必要がなく、マスがすべて埋まっていても実行できる。

Religion

 そのうち公式からアナウンスもあるだろうが、自分用の備忘録としても残しておく。

 運良く手に入った『Improvement of the Polis』、気合で手に入れた『SINGULARITY』両方面白かったので、この『Religion』リメイク元の『Marché de France』もいつか欲しいと思っていた。2年くらい前に入手のチャンスがあったが、その時は1.5万円で突っ込んで競り負けていた。今ここにAsobitionさんがリメイクとして出してくれたことで、2年前の負けから大逆転勝利したと言えるだろう。

 Polisに続いてSINGULARITYを遊んだときは、”相変わらず独特の苦しさだな~”と感じたが、Religionは他の2作品に比べて苦しさはなく、マイルドになっている。毎ターンのレベルアップやAI研究に歯を食いしばって着いていかないと脱落してしまう・・・!という切迫感は無い。Religionでは毎ターンの手札数増加がPolisのレベルやSINGULARITYのAI研究に当たるが、まったく手札を増やさなくても十分勝負になった。他の2作品はいわゆる「しゃがむ」ことが許されない毎ターンの厳しすぎる鍔ぜり合いを強いられたが、Religionでは、先行逃げ切りで後半は見てるだけ、または前半しゃがんで後半追い込む、どこでも満遍なく、の戦略が全部通用すると感じる。色々試してみたくなる。

 

 さて、エラッタやルールの明確化、間違いやすい(だろう)部分を書き起こして残しておこう。

 

エラッタ

「手札上限を1つ増やす」アクションのコストはボードのアイコン表記が間違いでルールブックが正しい

 

【記載なし補足】

得点計算フェイズでキューブや娯楽カウンターがゼロだったら、2位や3位に当たっていても最下位扱いで得点は得られない。

 

【明確化】

ラクルカードの獲得ボーナスで得点を得る効果は、該当のマークのアクションカードを取るだけで良く、(キューブの数が足りない等で)実際にキューブが置かれなくても構わない。

 

【間違えやすい(かも)】

①娯楽アクションカウンターはラウンド終了フェイズでリセットされない。

②「ダイス+下矢印」のアイコンで娯楽アクションをする時は、ボードのマスに自分のキューブを1個置く必要がある。一方、「馬+酒+カード」のアイコンで娯楽アクションをする時は、マスにキューブを置く必要がなく、マスがすべて埋まっていても実行できる。

A War of Whispers/ウォー・オブ・ウィスパーズ

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ウォー・オブ・ウィスパーズ

 Kickstaterで見かけた時から欲しいな、と思っていたのだが、お前の国には送らねーから!と言われたので大人しくリテール版を待っていたところ、ありがたいことにケンビルさんが日本語版を出してくれた。

 自粛自粛で実際のプレイは購入からかなり経ってからとなってしまった。

 

 世界の覇権を賭けて戦う5つの帝国。プレイヤーはその五帝国を裏から操る秘密結社を担当し、密かに肩入れした帝国に世界を牛耳らせるべく、各帝国を操るアクションを実行する、という、ルールを読んだだけの段階ではものすごく面白そうだった。ただ、実際に遊んでみると・・・ということはボードゲームには往々にして良くあることで、自分が実際にこの目で見た物よりも世間の評判の方が大事だよね、と痛感する毎日なのである。

 さて、実際に遊んでみた感想としては、”ポテンシャルは間違いなく高い”が、”明らかにテストプレイとデベロップが不足している”である。このポテンシャルはプレイメンバーの勇者(個人名)が「インペリアルより好き」と言うくらいの遙かな高みにあるので、こんなのよりもウヴェゲー遊ぼうぜ、と切って捨てるには勿体ない。そこで、このゲームのポテンシャルを最大限に引き出すヴァリアントを考案したので、これから遊ぶ方には是非採用を検討してもらいたい。

※このヴァリアントは一度も遊んだことのない方を対象にしたファーストゲームヴァリアントであり、すでに何回も遊んでいる方のみで遊ぶ場合は採用することに何の意味もないのでご注意を。最初はこのヴァリアントを採用し、慣れるにしたがって徐々にこのヴァリアントを無くしていって、最終的にはルールブック通りのルールで思う存分遊ぶためのヴァリアントである。

 

ヴァリアント① カード保持枚数 5→1

 おそらくこのゲームで最もテストプレイの「質」の不足が感じられるのが、このカード部分である。慣れた人だけで延々とテストプレイを続け、一度も初心者に入れ替えてのテストプレイをしなかったのだろうな、と確信できる。

 初心者が5枚(+そのラウンド中に手に入れた数枚)を持つとどうなるか、というと、慣れない盤面と初めて見るカードの無数の組み合わせから、もっとも効率的な使い方を考えようとして膨大なダウンタイムを生み出すことになる。序盤は使わず溜めておいて、もっとも重要な最終ラウンドで全部使う方が良いことくらいは初心者でも分かるので、これは必ず発生する事態となり、このゲームの評価が下がることがあるとすればその最たるものがこのダウンタイムになるであろうと想像できる。

 そこでこのヴァリアントを採用して保持上限数を1にすると、まず直接的に最終ラウンドでのカードがらみの長考がなくなる。さらに、序中盤に手に入れたカードをゲーム中にちょくちょく使うことになるので、皆が自然とカードの効果を理解できていく。

 そうしてプレイ回数を増やしてカードの効果を覚えていくたび、1→3と増やしていって、最終的にルール通りの5枚にするのが良い。

 先にテストプレイの質は低いと言ったが、量の方は信頼できるものだと感じている。カードが生み出すイレギュラーな面白さが減っても、その他のゲーム骨格部分はそれだけで十分面白く、初心者に満足な体験をさせる完成度であることは保証する(との世間の評判の方を大事にするプレイヤーの言)。

ヴァリアント② 各帝国ごとに1枚カードを公開しておく

 カード1枚は3種類の効果を持っているが、そのうち2種類は各帝国ごとに共通である。そのため1枚ずつ公開しておけば、カード効果のうちの66%は手に入れなくても知っており、初めて手に入れたカードを読み込み使い方に悩む時間が33%になる。このヴァリアントも、ゲームに慣れてだいたいのカード効果を覚えた段階で無くせばよい。

ヴァリアント③ 忠誠マーカーの入れ替え数→ゲーム中1回のみ

 これも、1ラウンド後のゲーム盤面の状況が想像もつかない初心者にとって、無駄なダウンタイムを生み出さないためである。また、ヴァリアント①でカード保持数を絞ると、カードを大量に使った最終ラウンドの大逆転の目論見(こんな目論見は初心者は立てられないのだが)がないと、全プレイヤーが勝ち馬に乗って似たような支援構成になってしまうのを防ぐ目的もある。このヴァリアントも、カード保持枚数を回復するにしたがって無くしていくとよい。

ヴァリアント④ カードを使用するたびシャッフル→山札の下に入れる

 このヴァリアントだけは初心者向けではなく、恒久的な採用を支持するものである。単純な話で、カードを使うたびにいちいちシャッフルするゲーム上の意味は極めて薄い。使ったらそのまま山札の下に入れて、時間を短縮できる。テストプレイヤーとして延々とやり込み続け、特定のカードが今は誰にも引かれない状態を利用して効果的なアクションを選択できる高みにまで達してしまった末に、無駄な時間を使ってまでも必要と感じてしまったルールなのであろう。

 

以上、初めて遊ぶ際に推奨するヴァリアントである。このゲームは何回も遊んで慣れるたびに面白くなっていくゲームだと確信しているので、初プレイの段階で低評価をつけてお蔵入りさせるには勿体ない。このヴァリアントが、末永く遊ぶために役立てば幸いである。

あとは、やっぱりKickの豪華版が欲しかったなぁ。箱絵もここ数年で一番かっこいい。

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2020年 来年もまたやりたいボードゲーム5選

 昨年はTOP5という形で紹介させてもらったが、今年は特に1位に押したいゲームもなかったので5つ選んで終わりにしようと思う。昨年は泣く泣く次点に回したゲームも多かったが、今年は様々な要因が重なって“これぞ”というゲームは結局現れなかった。

 その要因の際たるものは、今年は誰もがそうだったと思うが、遊ぶ機会が限られてしまって新しく遊んだゲームの数自体が、昨年よりも相当少ないというのがあった。おかげで未プレイのまま年を越すゲームが今年は7つも発生してしまった(※ただし拡張は数えないものとする)。ちらほら評判が聞こえてくるものもあるので、来年に期待。

 要因のもう1つは、フィギュアゲーと協力ゲーを購入射程からわざと外しているのが、今年は大きかったかもしれない。グルームヘイヴンやらネメシスやら特に興味が無くても評判が聞こえてきたゲームはかなりあったと思うが、塗りには全く興味がないのでしょうがない。フィギュアの無い普通のボードゲームとして出てくれていれば、その中に“これぞ”というゲームもあったかもしれない。

 最後に、去年はALL TIME BESTというべきBarrageがあったので、直後の今年はそれとの比較でどうしても不利にならざるをえなかったかもしれない。今回の5選はできるだけ再プレイして、あらたな魅力に気付ければ、来年はきっと良い年になる。

 

 長い前置きになってしまったが本題に行こう。ただし、今年初めて遊んだゲームが対象なので、発売自体は去年以前だったゲームがあるかもしれない。

 

NIDAVELLIR/ニダヴェリア

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まずは今年遊んだ回数の一番多かったこれ。記事でも書いたが人数が増えてもプレイ時間があまり変わらないのが特に重宝した。

 

Q.E.

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競りの制限をかなりの部分取っ払った競りゲーム。「プレイヤーは国なのでいくらでもお金を刷って使って良い」という設定とも上手くマッチしている。何かを足さずに、むしろ何かを無くすことによって新しい感覚を生み出しているのは見事と言う他ない。

 

Tidal Blades - Heroes of the Reef

          f:id:sashibaya:20201230145111j:plain

アメゲー枠。アメリトラッシュ最高峰とも名高い『Argent The Consortium』に比べると、かなりすっきりと遊びやすく、分かりやすくなっている。どちらを遊ぶか悩むレベルには肉薄している。ただし、かなり捻った背景世界を創り上げているので、ど真ん中160キロストレートで投げ込まれる「魔法学院総長選挙」には世界観的魅力は到底及ばない。逆に半魚人とかポリコレヒロインとかが刺さる人にはこっちだ。

1プレイでは到底出現しきれないカードの数々、担当キャラをレベルアップする複数の選択肢、アメゲーを比較的手軽に楽しめるゲームとして相当アリだと思う。

 

Maracaibo/マラカイボ

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安定のPfister今年の新作。漏れなく、間違いなくインストできたのがこのゲームのハイライト。しかし毎作毎作これだけのルール量を安定して遊べるように組み上げるPfisterには心底感服する。

 

Abluxxen/アブルクセン

           f:id:sashibaya:20201230153025j:plain

え?今さら?という感じの名作を軽ゲー枠&特別枠で。購入&初プレイは多分5~6年くらい前だが、その時には大して面白いとも思えずそれっきりで長年放置していた。しかし世の中の評判はすこぶる良いので、ためしにもう一度遊んでみよう!で遊んでみたら面白かった。おそらく最初に遊んだ時には何かルールを間違えていたのだろう。やっぱり世間の評判って大事だよね。

 

最後に、今年もたくさん遊んでもらった仲間に感謝して締めとしたい。流石に今年は障害が大きすぎたので、来年は少なくともマシにはなることは期待できるだろう。

NIDAVELLIR/ニダヴェリア

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 結果的に今年最も多く遊んだゲームになりそうなゲーム。特に強烈な個性はないが、その日の2個目に遊ぶゲームとして重宝され、結果的にこれまで7回も遊ばれている。何が重宝されているのか。

・おもしろい

まあこれが無いと7回も遊ばないよね。競り+セットコレクションというベーシックでオーソドックスなシステムを基幹に据えて、競りに用いる資金の増やし方と、セットコレクションの揃え方へのボーナスを二通り用意する、という味付けがされている。

・1時間で終わる

45分の表記で本当に1時間で終わるゲームは稀だ。特に我が家では。あーでもないこーでもないで、表記時間の2倍が常識となっている。なので、2個目のゲームとしてきっちり1時間で終わってくれるのは実に重宝する。

・同時プロット

1ラウンド3回の競りの根付は、ラウンド最初にすべて同時にブラインドでプロットしておくシステムなので、長考がゲーム時間の延長にそれほど影響しない。これも重宝する。

 

さて、ゲームの感想をただ書きたくてブログを書いているわけではないので、いつもの独りよがりの考察に入ろう。ニダヴェリアがどんなゲームか知りたくて覗きに来た人には、①他にもっと良い紹介ブログはたくさんあるよ、②おもしろいからそれらのブログは見る必要なく買いだよ、というのが言いたいことのすべてだ。

 

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まずはクラスを検討する。7回のプレイ結果は考察の基にするには少ないが、無いものはしょうがないのでとりあえずこれで進める。究極の真理の追究が目的ではなく、考察して賢くなった気になることが目的なのでこれで良いのだ。

  トップのメインクラス ドベのメインクラス
1 鍛冶職人 戦士
2 工夫 狩人
3 鍛冶職人 狩人
4 鍛冶職人 工夫
5 鍛冶職人 鍛冶職人
6 工夫 狩人
7 工夫 戦士

サンプル数が少ないと言ったが、あれはウソだ。ここまで傾向としてはっきり表れると、もう結論を出して良いと思う。ただ、鍛冶職人は《暴君ボンフール》が強すぎるのでそりゃそうよな、という感想しかないが、工夫がこれだけ活躍しているのは謎だ。他のクラスと違って、工夫をメインにしていないと1点にすらならずに純粋に0点になるピックの機会が多いので、邪魔されにくいというくらいしか思い当たることはない。まあ結論としては狩人はやめとけ、だ。

 

       f:id:sashibaya:20201208203316j:plain

次にコインの育て方を考える。コインを育てれば単純に点数になるとともに、いち早く25まで育てれば、最後のラウンドは無双できる。最初のラウンドでどれを育成するかが大きな分かれ目で、それぞれシミュレートしてみた。もちろんコイン枯渇によるスキップや《王家の施し》カードなどであっさり先を越されることは常にあるので、あくまで目安に。

 

始めにもっとも直截的な、5/4育成から入ってずっと上位2コインを育て続ける順。

ラウンド 育成枠   使用枠 合計額 上昇値 競り値
5 4   3 2 0 14 4 5
9 4   3 2 0 18 4 5
13 4   3 2 0 22 4 5
17 4   3 2 0 26 4 5
21 4   3 2 0 30 4 5
4 3   25 2 0 34 3 27
最終額 7 3   25 2 0 37    

常に3/2/0で競りに参加しなければならないので競り値総合計が52と低く、最終合計額も37と低い。まっすぐ25を目指せるが、ゲーム中で狙ったドワーフを雇えることはほぼないだろう。5/4育成から入って直線的に25を目指す場合は、悲惨な競りをし続けることになる。

 

次に4/3育成から開始する順のシミュレート。

ラウンド 育成枠   使用枠 合計額 上昇値 競り値
4 3   5 2 0 14 3 7
5 3   7 2 0 17 3 9
8 7   3 2 0 20 7 5
15 7   3 2 0 27 7 5
22 3   7 2 0 34 3 9
7 3   25 2 0 37 3 27
最終額 10 3   25 2 0 40    

最終額37⇒40と3点増え、競り値総合計も52⇒62と大きく改善されている。明らかに先ほどの直線5/4育成スタートよりも優ると言えるだろう。1ラウンド目に最強コイン「5」が使えるのも5/4スタートにはないメリットだ。これで狩人を回避しよう。

 

最後に3/2育成から開始する順のシミュレート。

ラウンド 育成枠   使用枠 合計額 上昇値 競り値
3 2   5 4 0 14 2 9
5 5   4 2 0 16 5 6
5 4   10 2 0 21 4 12
10 9   4 2 0 25 9 6
19 4   9 2 0 34 4 11
9 4   23 2 0 38 4 25
最終額 13 4   23 2 0 42    

最後無理やり23コインを+2して25にすることもできるが、その選択は誰もしないだろうということで25にはあえてしなかった。25にこそできないが、最終額42、競り値総合計69と、3パターン中ではもっとも優秀な数字だ。そして何より25に足りない値は2だけというのが夢がある。ゲーム中に上手くコイン枯渇のスキップを2回起こせれば・・・。ただし、この3/2スタートには大きな落とし穴がある。スキップなく順当に23に到達した最終ラウンドの競りで、その23のコインを24や25のコインに潰されてしまう危険性がある。そうなってしまえば、69とか言ってた競り値総合計は幻で、直線5/4育成スタートの52以下の扱いとなってしまうかもしれない。

 

どうせ25にしないなら、最終額が最大になるようにシミュレート。

ラウンド 育成枠   使用枠 合計額 上昇値 競り値
4 3   5 2 0 14 3 7
3 2   7 5 0 17 2 12
5 5   7 2 0 19 5 9
10 7   5 2 0 24 7 7
17 7   5 2 0 31 7 7
7 5   24 2 0 38 5 26
最終額 12 5   24 2 0 43    

 こちらの方が良いかもしれない。競り値合計が1下がって68だが、最終ラウンドのコインが24なので、23よりも潰されにくい。それにスキップ1回で25になるのはかなり現実的だ。3/2スタートの上位互換に見える。

 

競り値合計の方を高くするよう意識したシミュレート。

ラウンド 育成枠   使用枠 合計額 上昇値 競り値
5 4   3 2 0 14 4 5
4 3   9 2 0 18 3 11
3 2   9 7 0 21 2 16
7 5   9 2 0 23 5 11
12 9   5 2 0 28 9 7
9 5   21 2 0 37 5 23
最終額 14 5   21 2 0 42    

 競り値合計が73に達するので、これも採用する価値のある戦略だろう。コイン育成を捨てたプレイヤーには太刀打ちできないだろうが、途中途中で次善のドワーフを雇っていける確率は高い。最終ラウンドの21が他のシミュレートに比べて低いのが気になるが、《王家の施し》や部隊評価の「戦士最大」でブーストがかかるなら、他のシミュレートよりも逆に効率が良くなるかもしれない。

 

というわけで、結論としては4/3育成から入って手堅く25を目指すか、5/4育成から入って途中のブーストを狙うか、が良さそうではある。もちろんコインの育成は途中で放棄して、15前後のコインを使い続ける戦略ももちろんある。どのような道を選ぶにしろ、育成の道筋の大枠は把握しておいて損はないだろう。

 

Rune Stones/ルーン・ストーン

 去年年末の「2019年 来年もまたやりたいボードゲームTOP5」で選んでおきながら、この10月になるまで遊んでいなかったボードゲーム。あと2カ月も経たないうちにまた、「来年もまたやりたいボードゲームTOP5」を選ぶ時期が来てしまうのだが、それまでに遊ぶことが出来て本当に良かった。ちなみにまたやりたいTOP5のうち実際に今年もう一度遊んだゲームはこれで最・・・・・初!なんと最初!ひどい見出し詐欺もあったものである。コロナ、そうコロナがあったからなぁ。これさえなければなぁ。他の4つも遊ぶ気満々であるのは今でも変わらないのだが、Barrageは5月に来る予定だった拡張が来たら遊ぼうとずっと思っていて未だ来ず、Tussie Mussieは手帳サイズが災いしてボドゲ箱の隙間に隠れてしまい、Smartphone Inc.は拡張のシュリンクがまだ解かれてなく、Heaven&Aleは新作の波に押し流されてしまった。何だいつものことか。 

 まあ、めでたくも稀なことに2回目3回目と続けて遊べたのと、ちょっとメモしておきたいことがあったのでブログに残しておく。

 

 まずは拡張について。3回目にして初めて拡張『Nocturnal Creatures』を入れて遊んでみたのだが、完全に空気だった。新しい戦略が生み出されるわけでもなく、何かを補正するわけでもなく、ただ処理のややこしいカードが加わっただけだと感じた。セットアップが面倒くさくなるだけだと思うので、この拡張は封印となるだろう。

 もう1つ封印しようと決断にいたったのが、「Extra Power Point」のRune Stone。というのも、3回のプレイが3回とも、これを軸にプレイしたプレイヤーがぶっちぎりで勝ったためである。たぶんこのStoneは強すぎる。ただ、おそらくゲームとしてはバランスはとれていると思う。3戦目はK官さんと後輩Mの2人がこの戦略に走り、K官さんがぶっちぎりで勝った。つまり後輩Mはぶっちぎりで負けた。つまり、プレイヤー全員がマルチ力(まるちぢから)を発揮して、3人がExtra Power Pointに走ってつぶし合い、残りの1人が弱い戦略ながらもブルーオーシャンでプレイすればおそらくバランスは保たれる。しかし、そのためには全員のゲームへの習熟が要求されるし、このゲームの魅力の一つである程よいテンポ感がなくなってしまうと思う。基本的に長考を誘発しないゲームで、1手番自体はさっと終わってグルグルターンがまわっていくのがこのゲームの大きな特徴なのだが、上記のマルチ力(まるちぢから)を発揮するためには、頻繁に入れ替わる場のカードとアーティファクトを常にチェックし続け、手番が来るたびごとに、自分の手を進めるか、妨害するかを考慮しないといけなくなってしまう。このため、健全なゲーム環境を担保するためExtra Power Pointは禁止となります。

 Kickstater限定の追加のRune Stoneがあるので、これと入れ替えれば良いだけなのは助かった。

 

 それにしてもぶっちぎりで負けても面白いと感じるのは、良いゲームだと思う。ただ、万人が同じように特別良いとは感じないだろうな、とも思う。このゲームはRune Stoneの組み合わせでだいたいの方向性を決めて、その大まかな戦略にだいたい沿った内容になるように手番を考えて実行していく。場に展開されているカードやアーティファクトはコロコロ入れ替わるので、綿密なシミュレートは要らないのだ。そして手番直前に場がひっくり返ってしまっても、「じゃあこちらのアクションをやっておくか」という次善策がシステムに用意されている。つまり、場が入れ替わることによるままならなさと、自分の考えた戦略通りに手番が実行できていくという心地よさが、同じ時間軸、同じ手番内に、奇跡のように同居している。この「戦略」はRune Stoneの選択、Rune Stoneを取る数、アーティファクトの取り方、カードの集め方、と縦横斜め奥行きすべてに用意されていて、ひたすら「よし、だいたい考えた通りにできてるな」という満足感を与えてくれる。反面、身を焦がす強烈なジレンマやコンボによる圧倒的な爽快感はない。そういったゲームももちろん面白いし好きだが、それでもこのゆるふわなジレンマと心地よさの同居するゲームを、私は愛する。

10万円チャレンジ!

 まず初めに断っておくと、10万円というのは嘘ではないが本当でもない。例の給付金支給の際に、ボードゲーム業界にもいくらか還元を、ということで特価になっているゲームをイエローサブマリンで買い漁った。ほぼ「安い」だけが理由で買ったそれらのゲームを一通り遊べたので、ここでまとめておこうという記事である。果たして買ってみてそのゲーム群は良かったのか悪かったのか、それらを楽しめたのかつまらなかったのか、ボードゲームの未来は明るいのか暗いのか(は別の記事に譲るとして)、どこか福袋購入報告にも似た今回の買い物の総まとめである。ちなみにもちろん10万円全部を注ぎ込んだわけではない。もしも10万円総てをボードゲームに使っていたとしたら、この直後に壊れた仕事用の鞄の購入に支障が出て、未だに壊れた鞄を抱えて通勤していたかもしれない。しかし、ギリギリ嘘ではない限りで最大のセンセーショナルな見出しを付けるとアクセスが良くなるのは世界中のマスコミが日々実践しているので、倣ってみた。

 

◆◆Massilia/マッシリア◆◆

ルールを読んだ限りではまあまあ普通だったのだが、あまり擁護するところはない。とにかく邪魔するアクションが強力で、リソースを貯めているプレイヤーを強烈に罰する。なので、最大効率とか、今やりたいことをやる、というのはゲーム上間違ったプレイで、邪魔されてもほどほどの損害で済むように、ゲームをリードできるわけではないが、邪魔されても崩れないような自重を持ってゲームを進めていく必要がある。のだが、そんなプレイをしなきゃならないゲームが面白いわけないだろがーーー!!!

カードの効果もランダム性が強すぎて、弱いカードは1アクション分の効果、強いカードは2アクション分の効果があって、引き運が2倍違う。それで序盤引き離されても、資源を貯めこんで一旦しゃがんで逆転を期す、というのが前述の通り封じられてしまっていて、どうにもならない。他人の邪魔が好きで好きでどうしようもなくて、積んでは崩され積んでは崩されという様を1時間以上ゲラゲラ笑ってプレイできる環境なら・・・もしかしたら・・・。

といってもこれ、BGGで5.5もついてるのだな。お!ついに4点台のゲームに現実世界で出会っちゃたんじゃない?これは、なんて期待して確認に行ったのに、世の中にはそこそこそんな環境な人も居るということなのか・・・。

 

◆◆Symphony/シンフォニー◆◆

6人までプレイ可能なのは素晴らしい。とにかく世の中には4人までしか遊べないゲームが多すぎて、5人以上集まることが度々あるうちのような環境では重宝する。

システム的には特に革新的なこともなく、どちらかというと制限や条件が多すぎる方だとは思うのだが(そのためルール解読には非常に苦労したが)、オーケストラの公演というテーマとすべてがちょうどよくマッチしていて、プレイ中はすごく楽しい。

”合唱団はやっぱり最前列に置いてなんぼでしょ!”とか、

”みんな終わったのにドラムだけあと4ターンも叩き続けてるよ!”とか、

ゲーム中の現象が、自然と背景世界に置き換えらえて会話されるのが楽しい。いわゆるヴォーソス的な楽しさに溢れている。反面、メルヴィン的な魅力は前述の通りそれほど無いので、ここはこうしておけば良かったか、というような感想はあまりない。

そういう意味では、初対面の人と遊ぶにはあまり向いていないんじゃないかな。ゲーム中に弦楽器ばかり押し付けられたことを、オーケストラ公演中の何かに、くだらない会話で置き換えられる環境下でもっとも真価を発揮するゲームだと思う。

 

◆◆Neptun/ネプチューン◆◆

今回の中では、まあまあの掘り出し物だったと思う。地中海を船で回るお使いゲームで、ルールも簡単な割にはゲーム中もしっかりと悩める。最大効率を常に考えながらも気まぐれな地中海の風向きに翻弄されるので、人によってはちょっと運不運の比率が高すぎると感じられるかもしれない。

 

◆◆Reworld/リワールド◆◆

前半部分と後半部分で分かれているのが特徴のゲーム。惑星エウリュビアへの集団移民を目指し、前半でユニットをアサラっぽいカードの使い方で取っていき、自分の宇宙船に積み込んでいく。後半では「積み込んだ逆順に」ユニットを入植させて得点を得ていく。なので後半部分の順番を考えながら、前半部分でユニットを取っていかなければならないのが、悩みどころ、考えどころ。

やっている間は結構面白かったけど、終わってみると不思議と”もう1回!”とか”あそこはああしておけば・・・”といった感想が誰からも出てこなかった。ある意味不思議なゲーム。

おそらくだけど、ユニットの出てくる順番のランダム性と、手札として配られるカードのランダム性が重なってしまって、”考えてもどうしようもなくない?”といった状況になってしまっているのではないか。どちらか一方が固定だったら、ユニットの出てくる順番が決まっているか、ゲーム中使う手札が最初に全部配られているかといった様に、どちらかが固定だったら、”次こそは!”と思えるゲームになっていたことだろう。

とはいえやっている間はそれなりに楽しかったので、忘れた頃にもう一度遊んでもいいゲームだと思う。

 

◆◆Forum Trajanum/フォルム・トラヤヌム◆◆

え・・?君、いつかのスカウトアクションで高評価受けてなかったっけ・・・?何故こんなところで特価に・・・?と衝撃を受けて購入したが、なるほど!これは話題にしにくいゲームだ。

まず背景世界とシステムの繋がりが悪いので何とも説明しづらい。トラヤヌス帝が記念碑を建てようとしている。ふむふむ、それの建設に携わるのかな?いや、各プレイヤーは受け持ったコロニア都市を発展させる箱庭ゲームだ。ふーん、発展させるとどんな都市が出来上がるのかな・・・?ってこれ勝利したんですが使いきれなかったタイルとか余りまくって、終わった時の見た目がすごい汚いんですが・・・、え?得点は並行して中央ボードで建てられてる記念碑もメイン得点源なんですか・・・。ふむふむ、その得点は個人ボードの配置の美しさに関係あるとか、逆に高得点取るようにすると自然と整然としていく訳でもない、と。さらに個人ボードに配置するタイルの約半分は白黒印刷のタイルだと。

・・・・・・。

いや、1つ断っておくと、面白いゲームですよ?続けて2戦プレイしたし、終わった後もしばらく戦略について色々と談義してましたし。

でもね、今はタピオカミルクティーインスタ映えの写真を撮るために買ってそのまま捨てる時代ですよ?さすがに少しは終わった時の見た目を考えないと、これではツイッターに写真を上げて「スカウトアクション高評価のゲームを日本語版発売前にプレイした俺ってどう?ねえ、どう?」ってする気も起きなくなくなっちゃいますぜ・・・。

あとはやっぱり記念碑建設とコロニア都市建設が背景世界でつながってなくて(どう考えても現実世界ではそんなん別々にやるでしょ)、システム的にだけ繋がっているのがどうしてもしっくりこない。だから、”今日はコロニア都市造ったぜー”とも、”記念碑建立にもっとも功績をあげて勝ちました”とも言えず、何とも発信しにくい。もう少し上手い背景世界を見つけられていたら、もっと楽しいだろうしもっと話題にもなっていただろうな、と惜しく感じるゲームでした。

 

さて、「安かったから」という理由で購入したゲームは以上。(本当は『マラカイボ』も一緒に買ったけど、これはもともと給付金があろうがなかろうが、安かろうが定価だろうが買う予定のゲームだったので除外。すごい話題になっている程のゲームなので、プレイしたら別記事で書くこともあるかもしれない。)

全部プレイし終わった感想としては、「良いゲームにも巡り合えた」というポジティブな感想も持ったけど、買わなきゃよかったかな、というネガティブな感想も2つあった。1つは、「まだ一緒に買ったマラカイボ遊べてねーー!!!!」というもの。特価ゲームを買い漁っていた時はちょうどコロナ禍で海外からの荷物の発送も止まっていたが、その後普通に到着し始めて、マラカイボの他にも色々と積み重なってしまった。もう1つのネガティブな感想は、「ルールブック読むのがきつかった」というもの。ルール多めの中~重量級ゲームを好むのも原因なのだが、いつもは「よっしゃ、これ今週遊べるぞー、やりたかったんだよなー」というモチベーションで克服していた。だが当然「安いから」という理由だけで買ったゲームに同じ水準のモチベーションは無いので、ルール読んでる時がいつもよりきつかった。とくにやたらと配置制限やら配置ボーナスやらの多かったシンフォニー、お前のことだぞ。

 

というわけで、今までも福袋(のようなもの)は買ったことはなかったけど、これが多分最後。二度と福袋は買うことは無いだろう。買う前からもワクワクし、買ってから実際にプレイするまでモチベーションを高め、そして実際のプレイがそんなでもなかったとしても、でもせっかくだから売らずに取って置こうかな、と思えるゲームを買う以上の満足感はない。今回の経験からそう感じた。