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NIDAVELLIR/ニダヴェリア

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 結果的に今年最も多く遊んだゲームになりそうなゲーム。特に強烈な個性はないが、その日の2個目に遊ぶゲームとして重宝され、結果的にこれまで7回も遊ばれている。何が重宝されているのか。

・おもしろい

まあこれが無いと7回も遊ばないよね。競り+セットコレクションというベーシックでオーソドックスなシステムを基幹に据えて、競りに用いる資金の増やし方と、セットコレクションの揃え方へのボーナスを二通り用意する、という味付けがされている。

・1時間で終わる

45分の表記で本当に1時間で終わるゲームは稀だ。特に我が家では。あーでもないこーでもないで、表記時間の2倍が常識となっている。なので、2個目のゲームとしてきっちり1時間で終わってくれるのは実に重宝する。

・同時プロット

1ラウンド3回の競りの根付は、ラウンド最初にすべて同時にブラインドでプロットしておくシステムなので、長考がゲーム時間の延長にそれほど影響しない。これも重宝する。

 

さて、ゲームの感想をただ書きたくてブログを書いているわけではないので、いつもの独りよがりの考察に入ろう。ニダヴェリアがどんなゲームか知りたくて覗きに来た人には、①他にもっと良い紹介ブログはたくさんあるよ、②おもしろいからそれらのブログは見る必要なく買いだよ、というのが言いたいことのすべてだ。

 

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まずはクラスを検討する。7回のプレイ結果は考察の基にするには少ないが、無いものはしょうがないのでとりあえずこれで進める。究極の真理の追究が目的ではなく、考察して賢くなった気になることが目的なのでこれで良いのだ。

  トップのメインクラス ドベのメインクラス
1 鍛冶職人 戦士
2 工夫 狩人
3 鍛冶職人 狩人
4 鍛冶職人 工夫
5 鍛冶職人 鍛冶職人
6 工夫 狩人
7 工夫 戦士

サンプル数が少ないと言ったが、あれはウソだ。ここまで傾向としてはっきり表れると、もう結論を出して良いと思う。ただ、鍛冶職人は《暴君ボンフール》が強すぎるのでそりゃそうよな、という感想しかないが、工夫がこれだけ活躍しているのは謎だ。他のクラスと違って、工夫をメインにしていないと1点にすらならずに純粋に0点になるピックの機会が多いので、邪魔されにくいというくらいしか思い当たることはない。まあ結論としては狩人はやめとけ、だ。

 

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次にコインの育て方を考える。コインを育てれば単純に点数になるとともに、いち早く25まで育てれば、最後のラウンドは無双できる。最初のラウンドでどれを育成するかが大きな分かれ目で、それぞれシミュレートしてみた。もちろんコイン枯渇によるスキップや《王家の施し》カードなどであっさり先を越されることは常にあるので、あくまで目安に。

 

始めにもっとも直截的な、5/4育成から入ってずっと上位2コインを育て続ける順。

ラウンド 育成枠   使用枠 合計額 上昇値 競り値
5 4   3 2 0 14 4 5
9 4   3 2 0 18 4 5
13 4   3 2 0 22 4 5
17 4   3 2 0 26 4 5
21 4   3 2 0 30 4 5
4 3   25 2 0 34 3 27
最終額 7 3   25 2 0 37    

常に3/2/0で競りに参加しなければならないので競り値総合計が52と低く、最終合計額も37と低い。まっすぐ25を目指せるが、ゲーム中で狙ったドワーフを雇えることはほぼないだろう。5/4育成から入って直線的に25を目指す場合は、悲惨な競りをし続けることになる。

 

次に4/3育成から開始する順のシミュレート。

ラウンド 育成枠   使用枠 合計額 上昇値 競り値
4 3   5 2 0 14 3 7
5 3   7 2 0 17 3 9
8 7   3 2 0 20 7 5
15 7   3 2 0 27 7 5
22 3   7 2 0 34 3 9
7 3   25 2 0 37 3 27
最終額 10 3   25 2 0 40    

最終額37⇒40と3点増え、競り値総合計も52⇒62と大きく改善されている。明らかに先ほどの直線5/4育成スタートよりも優ると言えるだろう。1ラウンド目に最強コイン「5」が使えるのも5/4スタートにはないメリットだ。これで狩人を回避しよう。

 

最後に3/2育成から開始する順のシミュレート。

ラウンド 育成枠   使用枠 合計額 上昇値 競り値
3 2   5 4 0 14 2 9
5 5   4 2 0 16 5 6
5 4   10 2 0 21 4 12
10 9   4 2 0 25 9 6
19 4   9 2 0 34 4 11
9 4   23 2 0 38 4 25
最終額 13 4   23 2 0 42    

最後無理やり23コインを+2して25にすることもできるが、その選択は誰もしないだろうということで25にはあえてしなかった。25にこそできないが、最終額42、競り値総合計69と、3パターン中ではもっとも優秀な数字だ。そして何より25に足りない値は2だけというのが夢がある。ゲーム中に上手くコイン枯渇のスキップを2回起こせれば・・・。ただし、この3/2スタートには大きな落とし穴がある。スキップなく順当に23に到達した最終ラウンドの競りで、その23のコインを24や25のコインに潰されてしまう危険性がある。そうなってしまえば、69とか言ってた競り値総合計は幻で、直線5/4育成スタートの52以下の扱いとなってしまうかもしれない。

 

どうせ25にしないなら、最終額が最大になるようにシミュレート。

ラウンド 育成枠   使用枠 合計額 上昇値 競り値
4 3   5 2 0 14 3 7
3 2   7 5 0 17 2 12
5 5   7 2 0 19 5 9
10 7   5 2 0 24 7 7
17 7   5 2 0 31 7 7
7 5   24 2 0 38 5 26
最終額 12 5   24 2 0 43    

 こちらの方が良いかもしれない。競り値合計が1下がって68だが、最終ラウンドのコインが24なので、23よりも潰されにくい。それにスキップ1回で25になるのはかなり現実的だ。3/2スタートの上位互換に見える。

 

競り値合計の方を高くするよう意識したシミュレート。

ラウンド 育成枠   使用枠 合計額 上昇値 競り値
5 4   3 2 0 14 4 5
4 3   9 2 0 18 3 11
3 2   9 7 0 21 2 16
7 5   9 2 0 23 5 11
12 9   5 2 0 28 9 7
9 5   21 2 0 37 5 23
最終額 14 5   21 2 0 42    

 競り値合計が73に達するので、これも採用する価値のある戦略だろう。コイン育成を捨てたプレイヤーには太刀打ちできないだろうが、途中途中で次善のドワーフを雇っていける確率は高い。最終ラウンドの21が他のシミュレートに比べて低いのが気になるが、《王家の施し》や部隊評価の「戦士最大」でブーストがかかるなら、他のシミュレートよりも逆に効率が良くなるかもしれない。

 

というわけで、結論としては4/3育成から入って手堅く25を目指すか、5/4育成から入って途中のブーストを狙うか、が良さそうではある。もちろんコインの育成は途中で放棄して、15前後のコインを使い続ける戦略ももちろんある。どのような道を選ぶにしろ、育成の道筋の大枠は把握しておいて損はないだろう。