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Barrage/バラージ ここまでのまとめ

9/29追記

9/12追記

 

なんだかんだで10回以上プレイしたので、次のステップ()に進むためにも今までに得た知見を文章に起こして再確認する。ここに書いてあることは、もちろん後で180度変わることもありうる。

 

1.重役強さランキング

【S】ただ強

★アントン・クルイロフ/建設タイルコピーマン

文句なしの最強重役。1人だけ上級建設タイルを中心に据えた戦略がとれるし、上級建設タイルを一切取らなくとも、1人だけ「?」タイルを持ってスタートするようなもので、どんな状況でも何をやっても強い。上級建設タイルをぶん回してのぶっちぎり勝利と、一切取らずにロースコアのねじり合いを制しての勝利、のどちらも実績あり。前者だけなら他のプレイヤーも邪魔ができるのだが・・・。最後手番は見たら取れ!

【A】戦略の核にできる強さ

☆ジル・マクダウェル/導管建設簡単ウーマン

誰よりも早く4や5の導管を建設できる。ゲームの途中で余った資材で安い導管を建てて収入を開放させることもある。ゲーム中に能力が発動することは1度だけかもしれないが、それで十分。その時は、国家契約は既に彼女の手の中だ!ただし、資材駒のやり繰りに独特の感覚が必要になる。

レスリー・スペンサー/外注アクション簡単マン

他のプレイヤーが手を出さない強いアクションスペースが常に空いている。コンボする私有建物が1つあるので、場にそれがあったら【S】クラスになる。ただし、次のマヒリ・セキボが同じ場にいると邪魔が入る。

☆マヒリ・セキボ/重役能力コピーウーマン

周りの重役によって振れ幅が大きいが、能力が空気でも最低限9金スタートがある。使いこなすのが一番難しい重役でもある。

【B】常の戦略としては成り立たないが、時に化ける

◆シモーネ・ルチアーニ/契約履行便利マン

フランスとのコンビが凶悪で、その時は【S】クラスかも。

◆マーゴット・フーシェ/私有建物2回使用ウーマン

方向性が同じ私有建物が重なれば軸になれる。

◆グラツィアーノ・デル・モンテ/水駒4個溜めマン

盤面のダムの総個数が減れば減るほど驚くほど能力が輝くようになる。3人プレイだったり、私有建物が強かったり、など。ただ条件が良く整わないと、やっぱりそれなりに落ちつく。

【C】それなりにやってくれる面々

◇他の多くの重役たち

【D】数々の条件が整ってやっとCレベル

●ウィルヘルム・アドラー/山岳基礎ダム建設簡単マン

いわずもがな。。。

 

2.強い戦略

大きく分けて2つの方向性がある。

【a】建物を数多く建設して、7点収入を早期に開放させる

【b】4ラウンド目早期の時点まで(理想は3ラウンド目終わり)に、山岳の有料スペースに4(できれば5)導管+3段ダムを完成させる

その他の特殊な強い戦略

【c】重役“アントン・クルイロフ”で得点能力のある上級建設タイルをぶん回す

【d】中立ダムを使って国家“フランス”の特殊能力で契約を山ほど達成する

下2つは存在しないこともあるので、基本的には上2つのどちらかを、以下の条件を吟味して目指すことになる。

①自分の国家や重役の能力、および周りの国家や重役の能力

②初期の中立ダムの配置と自分の手番

③4ラウンド目と5ラウンド目のボーナスタイル

bの勝利方法が王道だが、自分がもっとも有利な位置にいないとぼろ負けする道でもある。bの道は、4ラウンド目と5ラウンド目両方で30電力以上を発電し、国家契約タイルで30点くらい(4人プレイの場合)、エネルギートラック先頭×2の12点、ボーナスタイルをマイナス無し達成×2で20~40点くらいを一気に稼ぎ出し、序盤しゃがみにしゃがんでも後半一気に80点近くを稼いで勝利する道である。これら3つのうち国家契約タイルと先頭ボーナスは1人だけしか得られないので、競合して負けると数十点をロスしてぼろ負けになるのである。つまり自分の国家と重役がこの戦略向きのものであっても、隣にもっと向いている国家と重役の組み合わせのプレイヤーがいたら、大人しく別の道を目指す方が良いということになる。ただし、この事実は表裏一体である。自分がこの戦略に向いていなかったとしても、他の誰も目指さなかったら、途中から方針転換して目指し始めて十分勝てる戦略であることは、ゲーム中は常に意識しておきたい。

aの勝利方法は、自分の国家や重役の能力が建設に向いているかどうかも重要だが、1ラウンド目に上部ダムの上級建設タイルを購入することでも目指せる。bで後れを取りそうだったら、こちらを目指すことになる。ただし、もう1つは有利な条件が重ならないとb戦略には追いつけないと感じる。重役・国家・上級建設タイルのどれか1つしか条件がなかったとしても、bを目指しているプレイヤーを誰かが邪魔するか、2人(以上)がbを目指して共倒れするか、でも良い。または状況次第で自分がbに乗り換えることも必要になる。

cは特殊な条件のみで成立する道だが、一応私有建物に同じようなことができるものがあるので、aでもbでも後れを取りそうな時はこれに賭けるしかない。

dもフランスオンリーの戦略であるが、強い(後述)中立ダムの陣取りと合わせて成り立つ。発電所のみを建て続けないとならないため、自分のダムを作っている暇がないのだ。もしも中立ダムが確保できなかったら、他の戦略を目指そう。フランスの国家ボード自体は発電所の特殊能力以外も結構強く、中でも基礎ダムの1番目の収入が資材駒なのがそれなりに強い。これを1ラウンド目に無理に開放して建設路線に行っても結構やれる。どうせ無理して同じものを連続で建てるなら、基礎ダムを建てるのが1番意味がある。他の国が同じことをしようとすると、アメリカは上部ダム、イタリアは導管の建設を要求され、1ラウンド目にそれらを無理に2個作りにいくのはさすがに無理が過ぎる。

 

3.強くない戦略

ドイツとイタリアの特殊能力は戦略としては成立してそれなりの得点を稼げるが、abcdの戦略をまっすぐに目指したプレイヤーに得点で追いつくことは難しい。いずれも上手く仕上げれば、後半のラウンドは30電力以上を稼げるが、如何せん瞬発力が無いので国家契約タイルが取れない。国家契約タイルの分の得点差を埋めるだけの力は無いと感じる。これは10回以上のプレイの実績からそう思う。基本はあくまでabcのどれかを目指し、途中特殊能力で上手く加点して差をつける、という意識が良いと思う。ドイツやイタリアが勝てないということではなく、ドイツやイタリアが勝った時は常にabcの戦略のどれかが中心であり、abcの得点をすべて他人に明け渡して勝つのは困難だ。

Cランクの重役も、abいずれかの戦略の中で役立てると輝く。重役の能力を活かすために目先のアクションを選択するよりも、abいずれかの終着点を見据えて使っていこう。

 

4.開始時の注目点

国家と重役を選ぶ際に、盤面のどこに注目すべきだろうか。以下の2点を特に吟味することをお勧めする。

①中立ダムの強さ

中立ダムには強いものと弱いものがある。

・山岳の中立ダム

取りに行くことはまずないだろう。水が1つしか貯められないダムに、導管や発電所をわざわざ建設することはない。終盤を見据えた配置にたまたま重なっていても、陣取りのための基礎ダム建設に優先して導管と発電所から建てることもまた無い。

・中立ダムに重なった下流の中立ダム

当然弱くなるが、丘陵ダムに重なった平原ダムは弱いとだけ考えておけばよい。山岳ダムの下流なら、それによって弱くなることはあまりない。中盤まで山岳ダムの水が使われることはほぼなく、場合によっては1度も使われることなく、水は基本ダダ漏れのはずである。

・導管の生産値

3導管に繋がらない中立ダムは弱い。4導管は序盤に建てられないし、2導管での発電は効率が悪すぎて発電アクションとしては弱すぎる。その反面、平原の3導管に繋がるダムはすごく強いと言える。序盤は水を流すアクションが空いているので水を3つ貯めやすく、これで序盤や中盤に9発電できると差をつけられる。さらに終盤にも上手く水を貯められれば、アクションスペースの+ボーナスや、自国の発電所開放の+ボーナスで、うっかりすると国家契約タイルまで見据えられる。3導管につながる平原ダムは、基本2人で取り合うか、上流にダムを建設するなどして少なくとも横槍くらいは入れておかないと強すぎることは意識しよう。

逆に重役の能力ですぐに4導管を作れるなら、4と2の導管にしか繋がっていない丘陵ダムがもしあれば、それは1人だけ強く使えるということになる。

②4ラウンド目と5ラウンド目のボーナスタイル

このゲームの1番の得点源が、実はこの終盤のボーナスタイルである。序盤や中盤のボーナスタイルはあまり得点にはならないので無視されることが多い。序盤のボーナスタイルはマイナスを喰らわないレベルまで発電することが難しいし、発電力を稼ごうとすると今度は得点の元となる建設が疎かになってしまうためだ。ところが、後半のボーナスタイルは全くの別物と認識する必要がある。後半のラウンドともなれば当然大量発電体制は整っているはずで、上手く行けば対象の建物が4つ建設できているかもしれない。そうであれば(例えば基礎ダムなら)4×4で16点、5ラウンド目も同じようなボーナスタイルと建設状況なら合計32点稼げる。(4人プレイだと)100点超えが1つの目安となるゲームで、実に1/3にあたる。

時には建物ではなくて、契約タイルの数や上級技術タイルの数といった特殊なボーナスタイルになる。そうなると戦略の強弱も歪む。例えば契約タイルの数なら、国家ならフランス、重役ならビクトル・フィーゼラーやルチアーニが輝くことになるだろう。また、導管の数を求められる場合も、(少数精鋭の巨大ダムで勝負する)前述のb戦略を少し弱めることになる。

総じて中立ダムの強弱は手番順の強さに、4/5ラウンド目のボーナスタイルは国家&重役の強弱に影響する。開始時の国家&重役の選択の際には、この2点に注目して選ぼう。

 

2019/9/29時点でのまとめは以上。

たぶん10年後もたまにはやるかー、という名作であるので、今後も定期的に加筆していくことになると思う。できればここにはまだ書いていない戦略・勝利方法を発見できることを願う。