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Imperial 2030/インペリアル2030

BGG:https://boardgamegeek.com/boardgame/54138/imperial-2030

 

むかしむかし、ルールを酷く間違えて遊んで途中終了したままだったゲームを引っ張り出してきて再挑戦!結果的に今回も細かいルールを間違えてたけどね!

 

ロシア・中国・インド・ブラジル・USA・EUが世界を牛耳る2030年。もちろんそれぞれの国は兵器を量産して絶えず戦争して領土を拡大している。

このゲームの特徴は、基本的にアクションのターンがプレイヤーには回らず、ロシアの番、中国の番、インドの番、と国家が順番にアクションを行っていく点にある。プレイヤーはそんな各国の債権を買って世界を裏で操る投資家となる。ロシアの番にはロシアの債権を最も多く持っているプレイヤーがロシアのアクション内容を決定する。なので、ロシアを動かすプレイヤーがゲーム中に変わることもあるし、債権をたくさん買いさえすれば、一人のプレイヤーがロシアのアクションも決定して中国のアクションも決定してインドも・・・つまりずっと俺のターン!状態になることも可能ではある。今回は5人でのプレイなので、6か国のうち最初から2か国を動かすプレイヤーが必然的に一人いることになるし、債権を浅く広く持てば、どこの国も動かさない、自分でアクションを決定することなくゲームが進む状態にもなりうる。

 

さて、最初の債権の割り振りでは、

ロシア:勇者

中国:大仏さん

インド:後輩M

ブラジル:K官さん

USA:自分

EU:後輩M

という担当になった。

後輩Mが2か国担当しているが、インドの債権は額面にして1のものしか持っていないので、誰でも支配権を奪おうと思えば簡単に奪える。ただ、支配権を奪ってアクションの選択をしてインドの国力を増強しても、それですぐに自分の得になるわけではない。税収アクションの時に少し見返りがある他は、インドの国力が上がると債権の価値が上がるだけだ。それならアクション自体は誰がやっても同じで、後で債権を買えばいい。という心理が皆に働いたこともあって、インド自体は順調にのびのび勢力を拡大していく。そして税収アクション間近!というところで、さっと勇者がインドの債権を買い、税収による報酬をかっさらう。同じように2週目の税収アクションの直前では後輩Mが取り返し、3週目の直前では大仏さんがかっさらい、それぞれ税収の何割かを自分の懐に収める・・・と自分勝手な利益を求める投資家どもに翻弄されるインド。しかし、多くの投資家(=プレイヤー)が「インドは育てて利益をかっさらおう」と考えていたため、戦争で戦力を削られることが少なく、気が付くとアフリカ~中央アジア~果てはモンゴルまで支配下に置く超巨大国家になってしまった!

さてその頃、自分が担当するUSAは、出だしに失敗したこともあって北米大陸に引きこもっていた。造船所建設を後回しにしたため、北米大陸の周囲の制海権をすべてロシアとEUに抑えられてしまうという絶望的な状況。ただし絶望的なのはUSAであって自分ではない。USAに肩入れするのは早々に諦め、各国の利率の良い安い債権だけを満遍なく買い込んでいく戦略にシフトする。そして中盤からはUSAの支配権はK官さん⇒後輩Mへと移っていき、自分はどこの国も担当することなく、スイス銀行に隠居して債権の配当だけを受け取る日々を送る・・・!みんあがんばえーいけー、とぷいきゅあ、じゃなくて国家を応援する傍ら、スイス銀行のもつ「他人が債券を購入する機会があれば自分も買える」特典を活かし、さらに安くて利率の良い債権を買い足していく。

極東ではUSAと同じように兵器工場や造船所建設を後回しにした中国が、手早く軍隊を展開して一時は広大な領域を支配下に置くも、やはりすぐに息切れし、北からはロシア、南からはインドと、あっというまに侵食されて衰退していく。

ブラジルとEUは順調に軍事力と支配領域を拡大していくが、ブラジルは防御に軍隊を残す戦略で効率が悪く、EUは(最初にどちらも支配していた後輩Mが)インドに支配地域を譲る場面もあって、思うように国力の数値が伸びなかった。

ゲームは終盤、最後の最後にインドの債権を買い足した自分がインドの税収アクションを実行し、カンストした最大級の税収アクションボーナスを受け取りつつ、インドの国力の数値を終了条件の25に到達させて終了。結果的にインドの債権をもっとも多く持っていたこともあって、勝利した。

 

ちょっとルールを間違えていたこともあったので、本当なら誰が勝っていたかはわからないものの、独特のプレイ感が面白い。基本的には軍隊を生産⇒移動⇒派遣先で潰し合って支配地域を拡大するのが基本的な動きなので、もしも担当国家がずっと固定されていれると、非常にピリピリとした雰囲気になってしまう。「おい、何でトップを潰さずにこっちに来るんだよ!」と極限MAXまでクサクサすること請け合いなゲームになってしまうところなのだが、国家の利益とプレイヤーの利益を切り離すことで、国家同士が気軽に戦争をしてつぶし合って遠慮なく殴り合うゲームができるようになっている。担当国家が衰退したら見捨てて他の国家の債権を買いに行ってもいいし、望みがあれば片手間にでも再建してみるのもありだ。

そして運よく担当国家が順調に成長しても、その成長の果実は後から債権を買ったプレイヤーも受けられる。今動かしている国が上手くやれるかどうよりも、自分の稼いだ金を次にどの国に投資するかの方が重要なのだ。