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Blackout HONG KONG/ブラックアウト 香港 ファーストインプレッション

 最近日本語版が発売されたタイミングで、以前中古を譲ってもらっていたものをようやくプレイできた。この作者のAlexander Pfisterの作品は、他に「アイルオブスカイ」「ブルームサービス」「グレートウェスタントレイル(以下GWT)」を遊んだ経験がある。アイルオブスカイとブルームサービスは特に感銘を覚えなかったが、GWTは面白くて数回遊んでいる。同じ時期に「オーディンの祝祭」や「ロレンツォ・イル・マニーフィコ」を買っていなかったら、GWTはもっと遊んでいたことだろう。GWTの拡張はまだ買っていないが、これもオーディンやロレンツォの拡張が出てなかったら買っていたと思う。つまり「ブラックアウト香港」には期待していたのだが、期待通りの面白さだった。

 GWTと同路線で、要素盛り盛りシステム増し増しのゲームで、ルールブックを一通り読んでインストを開始したら、ルールブックの最初の方は全部忘れていたくらいのボリュームである。ゲームの流れは個人ボードに書いてある通りに沿って進めれば比較的分かりやすく進むとはいえ、初回プレイである今回は、いくつか細かい処理を途中まで間違って処理したりしていた(文末に備忘録としてまとめておく)。ただ、別にディスっているわけではなくて、2回目からが本番というこの手のゲームは好みのゲームだ。

 印象に残ったのは、手札管理の独特の感覚だ。ゲーム中に初期配布カードよりも強いカードを購入して手札に加えて強化していき、使用した手札は数ラウンド後に戻ってきてまた使用可能となるので、やっていることはデッキ構築そのものだ。ただ、使用したカードを上手に管理すればどのカードが戻ってくるかをある程度コントロールできるので、“引き運”というものがない。最大限の都合の良いドローじゃなかった時のがっかり感を消しながら、上手く行った時の達成感だけを巧妙に残しているシステムで、気持ちよくゲームができる。そして次回はもっと上手くコントロールできるはず、と思わせられる。

 

 さて、初プレイの今回は、大仏さん・勇者・少年兵・私の4人でプレイ。私は早々に4つ目のスロットを開放させる作戦で、序盤は全てのリソースをそれに注ぎ込む。4スロット作戦の効果で、毎ターン4枚のカードがプレイできるし、手札の回収も毎ラウンド起こってチェックマークアクションが毎ラウンド使えるしで、実際ゲーム中はずっと得点で他の3人を引き離していた。ゲーム中盤までは、“こりゃー4スロットを早期に開放するのが鉄板戦略だな。他の3人はいつまで経っても4スロット目を開放しないし、このままぶっちぎり勝利だよなー。”と浅はかにも思っていた。しかし4スロット戦略は、①手札が残らないのでスカウトに行けない。②スロットにカードが溜まらないので0-6開放目標達成ができない。という2つの弊害も起こっていることが、中盤を過ぎたあたりでやっと分かってきた。そして最終ラウンドの猛追と、終了時の得点計算で、大仏さんに鼻差でかわされて2点差の2位!となってしまったのであった!

 なるほどねー、そうなるのねー、でも次はもっと上手くできるしねー、見てろよー、と思わせてくれる良いゲームだった。ゲーム中はScout(調査?4フェイズ目)のフェイズがちょっと蛇足に感じていたが、これがあることで別路線の手札管理も成り立たせていたのだと1ゲーム終わった今なら理解できる。再戦確定のゲームである。

 

【備忘録】

・1人のボランティアが2個(以上)リソースを調達する時、輸送トークン1枚でその全部を隣のロンデルマス対象に変えることができる(分割はできない)。

・複数の目標を持つカードは目標を1個でも達成すれば、(ボーナス得点を諦めて)チェックマークアクションの開放、及び完了効果による地図上へのキューブ配置が行える。

・$5.00でバッテリー1個、1得点で輸送トークン1個をいつでも買える。