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Rune Stones ファーストインプレッション

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Rune Stones/ルーン・ストーン

Kickstarter

https://www.kickstarter.com/projects/queengames/rune-stones

BGG

https://boardgamegeek.com/boardgame/285265/rune-stones

 

こういったファンタジー雰囲気大好きなので、それだけでバックしたゲーム。デザイナーであるRüdiger Dornのゲームは初めてのゲームになる。他にはLuxorが有名なのかな?Luxorとのセットも選択できてその時は見送ってしまったけど、このRune Stonesを遊んだ後ではLuxorの方にも興味が出てきた。

 

デッキ構築・セットコレクション・拡大再生産・個別特殊能力と要素自体はかなり詰め込まれているが、それらすべての要素の1つ1つは薄味の軽い扱いで、すべて混ぜ合わせた総合的な味付けで十分独自色が出ている。ルールも要素多めの割にはとてもすっきりしていて分かりやすく、手番に選んで行う3つのアクションどれもが例外的な処理無く簡単に実行できる。

 

デッキ構築部分では、手札からカードをプレイするときは2枚必ず使い、そのうちの1枚をルールに従ってデッキから取り除かなくてはならない、というのがもっとも独創的な点だと思う。カードには1~108までの番号が振られていて、より番号の大きい方を(概して強い方を)取り除かなけらばならない。これにより強いカードほど使用回数が減る傾向にある(=購入アクションに対するリターンが低い)ということで、遠慮なくカードにあからさまな強弱がつけられている。「他よりも明らかに強いカードを使う」ことは、カードゲームをやっていて一番興奮することの1つだ。もちろん強さに対するコストを設定することでバランスを取らなければならないのだが、それがきちんと見合ったコストだと「他よりも明らかに強い」とは感じられなくなってしまう。その見合ったコストを上手くプレイヤーの目や感覚から隠すことに成功していて、「他よりも明らかに強いカードを使っている」という興奮だけを目立たせている。このシステムは本当に感心した。

 

ゲーム名でもあるRune Stoneは全部で8種類で、獲得すると常時発動の特殊能力が1つ増える。手札の上限が2枚増えたり、ジェム1色がオールマイティーになったりする。持てるRune Stoneの上限は4つなので、この8種類のうちどれを選択していくかで他のプレイヤーとは非対称の能力を持ってゲームが進む。これだけでも、戦略をあれこれ思いめぐらせたり、隣の芝生は青く見えたりして面白いが、Rune Stone自体を獲得するタイミングを遅らせれば点数では先行できる。どのRune Stoneを選んでどういう戦略でゲームを進めるかという横の広がりに加えて、いつRune Stoneを取って、先行逃げ切りで行くのか、特殊能力山盛りで後半追い上げ型で行くのかという、縦の奥行きもある。

 

総じてSDJクラスの面白さは十分ある。インスト・プレイ時間も重くなくて、4人プレイがMAXなことを除けば十分定番ゲームになると思う。