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Wingspan

BGG:https://boardgamegeek.com/boardgame/266192/wingspan

 

カタカナ表記にするとウグイスパンと見分けがつかなくなるウィングスパン。1度は送料が高くて見送っておきながら、サイコロ堂さんに入荷されるや飛びついてしまった一品。結局送料込みくらいの値段になったけど、日本語シールがついてきたからまあ良しとする。ちなみにWingspanとは両手を広げた時の横幅の体長で、主にNBAの選手のプロフィールで使われている(ことしか私は知らない)。NBAでは手の長さも才能の1つで大きな武器だ。鳥もきっとWingspanが重要な場面があるのだろう。

 

さて、このゲームは苦手だ。4回ほどプレイしたが、未だに何をどうやれば良いのかさっぱり分からない。一緒にプレイした仲間も同じだと思うのだが、何故か受けが良くて4回もプレイしている。最初の1回は何がどうなったか良くわからないが一応勝った。しかしその後3回を経ても、何がどうなっているのか分からない。自分が4人なら多分2度とやることはないのだが、この後も何回か稼働しそうなので、せめて面白さの勘所だけでも掴んでおきたいという思いからの今回のブログである。いろいろ分析して次に活かそうという備忘録である。

 

【最終得点】

面白いことに、やるたびにトップの点数が落ちて行っている。記録を見ると、

84/82/79/66 ⇒ 81/68/65/60 ⇒ 78/71/69/67 ⇒ 76/70/57/55 だ。

前2回と後では一人だけプレイヤーも違うのだが、平均点も見事に落ちて行っている。未だに何をやったら良いのか分からないことが数字として表れているとも言える。ただし、最初の1回の点数が高いのは心当たりがあり、誰もが「全員に等しく恩恵のある効果」の鳥を構わず使っていたからだ。そして2回目から誰も使わなくなった。実にうちらしい。

 

【トップ争い】

この4回という有史以来の膨大なプレイデータから見ると、大体70点台後半がトップ争いの条件になりそうなので、そこから逆算してみる。総アクション数は8+7+6+5=で26アクションである。26で割ると、1アクション3点取れれば78点になる。

78点取れればトップ争いには絡めるだろうから、1アクション当たり3点を目標にしたいが、点数とアクション数にはさらに加算がある。点数のほうでは「ラウンド目標得点」と「ボーナスカード」の得点だ。過去4回のプレイ結果から見ると、この2つで合計12点くらいが平均になっている。細かく点数の内訳を見ると、ラウンド目標とボーナスカードの点数は反比例の関係になっていて、一方を優先すると一方がへこむ傾向が、ちゃんと数字に表れている。しかし、4回の勝利者が4回とも、目標点の方がボーナス点よりも高いという結果になっているのは偶然ではないだろう。

◆勝つためにはボーナスカードよりもラウンド目標優先◆

 

アクション数も実は加算があって、最初にカードと餌で計5個/枚を持ってスタートするので、5個/枚得る分のアクションがあるものとして計算する。ゲームを通しての平均では1アクションで1.5個/枚を得られるとして、3アクション追加して実際には29アクションあるものとする。

というわけで、(78-12)/(26+3)で、1アクション2.3点取ればよい。もちろん後半は、序盤に平均2点も取れなかった分の巻き返しで、それこそ1アクション3点は必要になるだろう。

 

【実際のプレイ】

1アクション2.3点を目安にするなら、餌・卵・カードドロー+プレイの4アクションで、リソースを余らせることなく何の能力もない9点の鳥を出す行為は、最終盤ではやってはならない悪手である。1アクション当たり2.25点にしかならない。この後ゲームがまだ続く局面なら、1アクション分くらいのリソースを残して出す分には許容できる。3アクションで割るなら3.0点だ。そう考えると、餌1個で出せる「集い」や「貯蔵」系能力持ちの鳥は、最序盤に出すと最終的に9点くらいになるので強い。序盤は卵も要らないので、餌とプレイとカードドローの3アクションで9点は1アクション当たり3.0点で、序盤の手としては破格である。何なら2.25点でも序盤だったら十分だ。「捕食」系能力持ちも同様なのだが、ランダムだったり序盤には出しにくかったりするので、「集い」や「貯蔵」能力の方が信頼性は高い。

序盤に出す鳥としては、餌を得たり卵を産んだりカードを引いたりして、疑似的にアクション数を増やす鳥も強い。たいてい餌を3個要求されて序盤は出すのに苦労するが、無理をしてプレイする価値は十分ある。序盤にプレイしてゲームを通して5アクション相当を稼げれば、先ほどの計算が(78-12)/(26+3+5)になって1アクション当たりの必要点数が2点を切る。つまり、4アクション分のリソースで8点の鳥をプレイしつづけるだけで良くなって、俄然楽になる。

また終盤、ただ卵を産むだけのアクションも、4個以上産めるようになっていればそれだけで強い。終盤でも1アクション4点は破格だ。たとえ3点でもまあ悪くはない。もちろん上限があるが、そう考えると卵を保持する数量が多い鳥は、たぶん過小評価されている。

◆序盤は安い集い/貯蔵/(確実なら)捕獲能力持ちが強い◆

◆序盤は無理してでもアクションを増やす鳥が強い◆

◆卵は限度いっぱいまで産んでゲームを終われ◆

◆鳥の卵保持数は過小評価されている◆

 

勝利者の得点方法分析】

先ほど、ボーナスカードよりもラウンド目標の方が重要だ、というのは少し触れたが、勝利者の得点方法をもう少し詳しく分析しよう。得点方法を、

●鳥:鳥カード記載の点数

●特典:ラウンド目標+ボーナスカー

●卵

●能力:集い/貯蔵/捕獲系能力の点数

の4つに分類して勝利者のそれぞれの順位を見る。

 

1回目

鳥:3位 特典:4位 卵:3位 能力:1位

2回目

鳥:2位 特典:1位 卵:3位 能力:3位

3回目

鳥:4位 特典:1位 卵:1位 能力:4位

4回目

鳥:4位 特典:1位 卵:1位 能力:1位

 

驚くことに、1回も鳥カードの点数で勝っている者がいない。むしろ鳥カードの点数は低いほうだ。つまりこのゲームは点数の高い鳥をプレイしたり数をたくさんプレイしたりしようとすると負けてしまうゲームなのだ!なんてこった!1アクションで餌を気持ちよく3個取れるようにして引いた端から鳥カードをプレイするだけの方法では勝てなかったなんて!(それで勝てたら苦労しないよ!)

このまとめから見えることは他に、特典(先に書いたように主としてラウンド目標点)が重要そうだ。まあ考えてみれば当然で、ここで点数を稼ぐ=他者の点数を削ることでもあるからだ。1回目はこれが4位だが、鳥の能力だけでぶっちぎりの35点を稼いでいた。序盤に余程うまく回って能力持ちの鳥で固めれば他は全て無視しても勝てるが、無理なら(たいてい無理だが)ラウンド目標点を死守して卵の保有数を意識する、ことが勝利の近道になりそうだ。

 

【結論】

というわけで2019年6月30日現在の(4回プレイの)結果から導き出される結論としては以下になる。

◆1アクション当たり2.3点の獲得が目安◆

◆鳥カードの記載得点は飾りであり、序盤は能力、中盤以降は卵保有数を優先◆

◆取れそうなラウンド目標は全力で取りに行く◆

これからプレイしていくたびにまた変わるかもしれないが、一先ずの指針として近いうちの5回目のプレイに臨もうと思う。