にほんブログ村 ゲームブログ アナログボードゲームへ
にほんブログ村

Heaven & Ale / ヘヴン&エール

BGG:https://boardgamegeek.com/boardgame/227789/heaven-ale

 

1つ前のWingspanは苦手と書いたが、このゲームは得意(?)なゲームだ。現在までに5戦やって1回目2着からの現在4連勝中、いずれも4人プレイなので、我ながらちょっとしたものだと思う。もちろん経験の差が大きいゲームなので、毎回初心者3人を集めれば4連勝もできるだろうが、我がクローズ会は現在Max5名なので、皆経験値的には大差ない。Wingspanは自分が勘所を掴むために文章に起こしたが、今回は周りに勘所を説明するために文章にするのが目的である。

1つ、ことわりとして、先ごろ日本語版が出たが、私は日本語版を見たことがないのでゲーム内の用語は全て独自の和訳表記である。まあ1度遊べば何のことを指しているかは分かるだろうし、このブログはゲーム紹介のブログではない。1~2度やったことがあって面白い・またやりたいと感じ、もっと上手く行くにはどうすれば良いかのヒントを求めている、日本に2~3人は居るに違いない方に向けたブログである(???)。

 

さて、このゲームはタイルを取っていくゲームなので、まずタイルの優先順位から始めるのが良いと思う。というよりも、タイルの優先順位の話で全て終わると思う。「決算ディスクは無理してもたくさん取れ」とか「樽はほぼ無視で良い」とか、1度プレイすれば分かることは省略する。

優先順位といっても、大麦・水・ホップ・イースト菌・木、に関しては、個人ボードにどれくらい価値が違うか最初から表示されているので、説明不要と思う。もちろんゲームを通して上下するが、その時の個人ボードの状況で判断してください、としか言えない。さらに最初は日陰に配置を始めるだろうから、リソースの種類は問われない。最初の1手が5のタイルか3のタイルかはそれ自体で大きなことだが、それが水の5なのか大麦の5なのかは、他の要因が絡まない限りはあまり重要ではない。ということで、5・4・3・2・1・0(Monkタイル)のどれを優先するべきか、を順を追って説明する。

 

まず、私が思う結論を提示しよう。それは、

0=5>1≧4>>>2=3

である。

ゲーム中の実際のアクションに即して言うなら、2と3はできるだけ取らずに飛び越えて、0と5を拾っていく、あまりに遠すぎるなら途中の1と4で我慢する、となる。とにかく2と3はできるだけ取りたくない。2ラウンド目以降に、2個同時に取れるとしても躊躇するくらいである。

ここで、5>4>3の優先順位については特に説明は要らないだろう。5が目の前にあるなら、誰もが拾っていく。その5のリソースタイルを何度も決算し、さらに小屋を囲んで発動できればすごい気持ちが良いし、実際に勝利に近づく。0(Monkタイル)=5の説明もあまり要らないだろう。Monkタイルの隣に5のタイルがあればやっぱり気持ちが良いし勝利に近づく。ただし、0(Monkタイル)は私から見て周りは結構過小評価しているように見える。というわけで、何故2と3よりも1を優先し、4と同じかそれ以上の優先順位だと(私は)考えるのか、同じ理由で何故0を周りよりも評価しているのか、の説明に移る。

 

このゲームで最も難しくて最も重要なことは、Brewmaster(「醸造監督官」の訳で良いのかな?)を進めることであるのは言を俟たない。こいつさえ(できることなら20まで)進んでくれればだいたい勝てる。そしてこいつを進ませるメインの出来事は、小屋を囲んだ値を7以下にすることである。他にも、カードを出したり、Monkタイルを(起動ではなく)発動させたり、ラウンド終了時のゴールボーナス等もあるが、どれも微々たるものである。特にカードは誰もが出すだろうから差がつかない。つまり、如何に小屋の値を7以下にして囲うかが重要なのである。

実際にあったゲーム展開の具体的な例で説明しよう。

私は上記の優先順位で拾っていき、7以下の小屋と24以上の小屋の作成を目指した。負けたプレイヤーは余った(主に2~3の)タイルを牛歩で拾っていき、タイルの取得数を稼ぐことを目指した。結果として、私が7以下の小屋1つと24以上の小屋1つを作ったのに対して、負けたプレイヤーは12-17の小屋を3つ作った。作った小屋の数は1.5倍だが、小屋の決算は結果として・・・

私:

醸造監督官:6

リソース:18

他:

醸造監督官:3

リソース:17

リソースでは大差ないが、醸造監督官は実に2倍も進んだ結果となった。如何に0-7小屋が重要か、そしてそれを作りやすい1を大きく評価しているか、これで説明できると思う。総合の結果で大きく上回ったのはもちろんのこと、拾うタイル数が4つくらい少なく済んだのも大きい。そのぶん決算ディスクを取ったり、早めにゴールして一番必要なボーナスを選んだりできた。5種類の小屋の決算方法を良く見てもらえれば分かるのだが、真ん中3つの小屋はすこし損になっていて、特に12-17では目を覆わんばかりの酷い結果である。試しに、0-7小屋と24小屋の2つの合計と、残り3つの小屋1種類ずつ3個の合計を比べてみる。

0-7&24

醸造監督官:6

発動タイル数:4

8-11&12-17&18-23

醸造監督官:5

発動タイル数:6

これだけ見てもほとんど差がない。が、注意しなければならないのは、0-7&24の発動タイルは当然24小屋のものが発動しているので、4か5のタイルが4つ発動しているのに対して、8-11&12-17&18-23の発動タイルは、3以下のものもそれなりに発動しているはずだということである。つまり、得られるリソース数の差は1~3個程度になるであろうということで、こうなると本当に差がなくなってしまう。小屋を手成りで3個囲っても、上手く囲った2個の小屋と差がないのである。

つまり、小屋を8-23、特に12-17になるのを避けなければならないことは、このゲームで一番意識しておかなければならないことである。そして2~3のタイルばかり拾っていくと、必然12-17小屋が出来上がってしまう。Monkタイルを大きく評価する理由も同様で、数字上0であるということがでかい。0は、0-7小屋を作るのに非常に重要である。さらに0で固めておくと、万が一8-11小屋になってしまった時にもリカバリーが効く。どういうことかというと、0で固めるとその分1枚だけ5のタイルを混ぜておけるので、発動する1枚のタイルを選ぶときに得になる、ばかりか、5のタイルが混ざって良いなら、隣の小屋を24小屋へと目指しても良くなり、選択肢が非常に広がるのである。

 

たくさんのタイルを拾って個人ボードを埋め切ることは楽しい。埋め切ったことによる樽も用意されているので、人はうっかりとタイル取得数を稼ぐことを目指してしまう。しかしこれまで説明してきたように、それは罠である。タイル取得数を稼ぐことはきっぱりと諦めよう。より重要なタイルのみを拾った方が勝ちに近づくのだ。取得数を稼ぐならその分決算ディスクを取るべきだ。2~3のタイルを取る時は、せめて2個以上固まっているときで、本来作れなかった小屋がもう1つできる、くらいの時のみにすべきだ。

以上をもって優先順位の説明を終わる。初めてゲームをする時には何の役にも立たないが、2回目のゲームの前に読めばきっともっと楽しめるようになるのではないかと思う。

願わくばゲーム終了時、あなたが最高のビールを作らんことを。

(でもこのゲームのビール製造は質より量で点数化されてるんだよなぁ・・・)