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エアライン・ヨーロッパ/Airlines Europeとロイヤルズ/Royals

5人会。

5人でプレイ可能な積みゲーがなくなってしまったので、昔一度しか遊んでいなかったゲームを引っぱり出して来てのプレイ。まずは『エアライン・ヨーロッパ』から。

確か日本語版が出てすぐに購入した記憶があるので、HJの記載通りなら8~9年前に買ったはずのゲームだ。当時はボードゲームのジャンルはおろか、自分自身の好みも理解していなかった頃なので、購入動機は不明。今見ると20年前、いや30年前と言われても通りそうな箱絵だ。

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この頃から見ると、現在の中心的なボードゲームのデザイン達も、たった8~9年でかなり洗練されたものに進化したことが実感できる。さすがに令和2年の今にこのデザインセンスは通るまい。以上のことから、巨匠アラン・ムーンのネームヴァリューに惹かれて購入したのではないかと推測される。

ゲームはユニオン・パシフィック/Union Pacificのリメイクだそうで、確かにルールがゲーム全体を通してすっきりと纏まっているし、得点計算表の配置や株式カードのデザインなど、必要な情報が必要な時に目に入るように配置されていて、非常にプレイしやすい。航空会社の株を売買しながら、各会社の価値を高めるという、この手のゲームにしては理解しやすいルールで、実際ルールブックも7ページだけだ。ただ、人を選ぶだろうな、というのは感じるゲームだ。「プレイしやすい」「ルールがまとまっていて理解しやすい」というルールデザイン部分は良いのだが、株の売買や航空会社の路線の開拓争いという背景世界があまり浮き上がってこない。ただ、ルール部分は秀逸なので、″我こそはピュアユーロの申し子なり”という自負のある方にはお勧めできるゲームだ。

反面世界観が曖昧だ。航空会社の路線開拓と株式カード入手のアクションが同一なので、そもそも自分が航空会社の中の人なのか、外から航空会社に投資する投資家なのかも、ルールでは表現できていない。路線開拓も「どこに伸ばすか」よりも「手近のコストが手頃なものを選択すれば大差ない」となっていて航空会社の気分も高まらないし、株式カードの入手も狙った株式を手に入れられないことも多いので、投資家気分も盛り上がらない。個人的にはもう一度リメイクする価値のあるゲームに感じるのだが・・・。

 

続いて『ロイヤルズ』。これもHJが日本語版?和訳付きドイツ語版?を出していたみたいなのだが、我が家のは第2版English Edition。各貴族の絵柄が洗練され、得点チップが若干厚くなったりしているようだ。

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Royals/ロイヤルズ

巷でいわれている通り、チケット・トゥ・ライドでやる中世のエリアマジョリティ。ボードゲームとしてあまりにも有名なチケット・トゥ・ライドだが、嗜みととして10周年記念盤なども購入して一度プレイしているが、この『ロイヤルズ』の方が断然好みだ。まず世界観が良い。「鉄道を引く」ことよりも「貴族に取り入って影響力を高める」方が断然熱いし(個人の感想です)、「近現代」よりも「中世ヨーロッパ」の方が断然胸躍る世界だし(個人の感想です)、陰湿に線路の行く先を塞いで邪魔するよりも、策謀カードで直接「ドスッ」っと都市からはじき出す方が断然爽快だ(個人の感想です)。

ルールデザインも良くできていて、最初は空いている都市の貴族の影響力+得点を取りに行き、ある程度取り合ったところで自然と国家エリアの影響力+得点に目が向き、最後は策謀カードで都市の奪い合いをする、と自然にゲームの様相が移り変わっていくようにデザインされている。といっても手成りで進める以外にも、今回K官さんが取ったような国王一点狙いという尖った戦略も取れるし(そして勝った)、それがアリなら女王狙いの方がより効率が良さそう・・・と戦略の幅も十分あると思う。チケット・トゥ・ライドは有名だけど自分はあんまり・・・という方は、こちらの『ロイヤルズ』を一度プレイしてみることをお勧めする。